お茶は健康を支える実りの味
「茶」という字は「草」と「人」と「木」でできています。人間は草や木がなくては生きられず、自然の中で調和をなしてこそ、一番幸せであるという意味なのだそうです。
誰かと初めて出会う場面でも、お茶はどんな飲みものよりも雰囲気を和ませてくれます。その国の文化や習慣によって、お茶の種類、香りや色合いの好みは違いますが、世界中どこへ行っても、お茶を飲まない人はいません。お茶は、茶木の葉っぱから生まれる最もポピュラーな飲みもの。地球上のすべての人々に共通の文化といえるでしょう。
「茶」とは一般に、茶の木の葉をさまざまに加工し、製造法や発酵の違いによって生み出された緑茶、烏龍茶、紅茶などを指します。しかし韓国では、薬用植物の実や種子、根、茎などを利用したものまで含めて、すべて「茶」と呼んでいます。
日本でポピュラーな緑茶は、韓国では貴族や修行僧だけのものとして伝わりました。
一般の家庭で主に飲まれていたのは「健康茶」です。
この「健康茶」、かつては身近にあるすべての素材が、その原料として使われていました。たとえば山から持ち帰った野菊、梅やタンポポなどの季節の花、木からおちた棗(なつめ)などの実を干して、お茶の材料としたのです。冬の間、家族たちのビタミン供給源だったみかんは皮を捨てずに集めておき、きれいに洗って干しあげます。すると一杯のお茶として、また家族たちを幸せにしてくれるのです。
こうして作られたお茶は、夏には冷たい花菜(ファチェ=韓国式フルーツパンチ)に、冬にはホットティーにして、季節に合わせて楽しみます。 山や野原に生えるさまざまな植物を原料とした韓国のお茶は、一日の疲れを癒してくれる伝統飲料。無農薬で育った自然の素材から作られる一杯のお茶、それは、生薬は生薬の苦味のあるお茶として、果実は果実のほのかに甘い香りのお茶として、韓国の人々の元気を支え続けています。
|
|
|
|
|
|
|
菊茶(グッファチャ) |
|
|
梅花茶(メファチャ) |
|
|
アカシア茶 |
|
*白蓮茶:白蓮のつぼみの中に緑茶を包んだ木綿袋を入れ、香りを失わないように包みます。数日後につぼみを切り取り、冷茶にします。茶の文化を伝える仏教の、僧侶たちの飲みものです。
Top
|
次へ>
|